自分の心臓をみてバクバク その1

「中年になっても生活習慣病やメタボ体質なんて気にしない」なんて言いながらも暴飲暴食も夜更かしもすっかり辛くなってしまったこの頃。健康志向が芽生えてきたところでバンコク病院メディカルセンターで最新CTスキャンを受けることと相成り候。

心臓を一瞬に凄い枚数でスキャン。「256列マルチスライスCT検査」

◇問診で心臓の機能を理解!なるほど!

まずは問診にて、日本人内科医の中地先生より健康状態の確認や検査の内容について説明を受ける。心臓は「心筋」という筋肉でできており、それを動かすために2本の血管が伸びている。これが左右の冠動脈。この血管が狭くなったり、詰まったりすると心臓に酸素が行かずに心臓が痙攣したり、心臓発作になってしまう。この状態を「狭心症」と呼び発作を「心筋梗塞」という。心臓を包み込む血管が正常に機能して詰まっていないか検査するのが今回のCT検査である。実は、日本人の死亡原因の2位が心疾患。3位の脳血管疾患よりも多いポピュラーな病因であるのであった。これは受けておかなければならない。

◇256列マルチスライスCT検査って何?

バンコクでも最新といわれるこのCTスキャン。心臓血管診断のスキャンをなんと256枚も一瞬にして行うという優れもの。あらゆる角度から撮影することで細部まで心臓の状態をチェックすることができる。以前であれば、心臓血管チェックは、足の付け根の大きな血管からカテーテルを通す大掛かりな方法で行れていた。その必要もなくCTスキャンでは、あっという間に検査ができるのであった。

◇いざ検査へ!グィーンと吸い込まれる

事前検査(体重・体温測定)。血液検査。その後、B1階のスキャンルームへ移動。大きな輪のCTがどっしりと構えているのであった。上半身だけ検査用の着衣に着替え、腕に点滴の管を付け診察ベットに固定される。すると、おー CTスキャンの中に吸い込まれていくのである。グィーン。最初の2回日本語で「息を吸って、息を止めてください」とアナウンスが流れる。ものの数分で完了。「まー簡単」と思っていたらこれは予行練習であった。あれれ。看護婦さんから造影剤が点滴され、今から本番いきまーすと告げられる。再びグィーン。おー凄い!マルチスキャン。僕の心臓をスキャンしている。これは興味深い経験である。どんなかはグィーンて感じ。とはいっても数分でCTスキャンが完了してしまった。

◇さて、検査結果は如何に。

検査結果は心臓専門医の所見を中地先生から伝えられる。たくさんのスキャン画像が添付された検査レポートの説明を丁寧に受ける。普通この手の取材記事であれば、「大きな問題はありませんが、気を抜かずに健康を維持していきましょう」という感じが多い。だが実際は、「右冠動脈の途中に中程度から重篤なる異常が疑われる」というドッキとするような結果がでてしまった。どうするんだ俺。(つづく?)

**以下のポイントが気になる人は検査をお勧め。

1.喫煙する 2.血中コレステロールが高い 3.運動不足  4.50歳以上 5.家系に心疾患の親族


この記事は、2002年~2010年に雑誌掲載されたものに、加筆修正をしたものです。記述内容が当時のものであり、現状と違う部分が含まれています。