国境カジノストーリー

「ラスベガスをぶっとばせ」という映画の原作になった書籍を読んだ。ストーリーは、MIT(米国マサチューセッツ 大学)の学生が得意の数学や統計を通して、必勝法を編み出しブラックジャックというギャンブルで大儲けをするというものである。彼らの使うカウンティングと呼ばれる手法は、A~13までのカードをある手法で読み取ることでディーラーが配る前の残りのカードの勝つ確立を知ることができるというものである。

なんとこの話は、実話に基づいており。1995年頃のラスベガスでは、一部のカウンターと呼ばれる大学生がこの手法を使ってアメリカ中のカジノで大金をかせいだのだという。平日は、堅実でまじめな大学生が週末になるとハイローラーと呼ばれるカジノのVIPに変身して、ブラックジャックで荒稼ぎをするのである。イカサマと違って仕掛けをつくることをしないカウンティングは、当時合法との見解を司法から頂いていたため、カジノ側はおおいに頭を悩ませたらしい。この書籍の最後にカウンティングのやり方が書いてあった。ブラックジャックは、ディーラーから配られるカードが合計21に近い方が勝つという単純なゲームである。10・J・Q・K・Aの5枚のカードをマイナス1とカウント。2・3・4・5・6の5枚のカードをプラス1とカウントする。勝負台に出ている全てのカードをカウントするのだがその総和がプラス5以上になったらプレイヤーの勝つ確率が上がっているという統計学なのである。

以外に簡単な仕組みに驚き、たまたま出向いたカンボジア国境のカジノでこの手法を試してみた。すごいのである。最初にあった掛け金がみるみる内に減って行きあっという間に持ち金が尽きてしまった。もう一度この本を読み返すと「最低100回はベットできる資金が必要」と書かれていた。つまり偶然勝ち続けることも負け続けることもあるので100回はベットしないといけないということらしい。10回くらいのベットで結果を求めた僕はかなり近視眼っだったのである。

帰路に「マカオでバカラ漬け」田村光昭著という博徒の本を読んだ。ギャンブルとは、負けを知るゲームだと書かれていた。深い言葉である。


この記事は、2002年~2015年に雑誌掲載されたものに、加筆修正をしたものです。記述内容が当時のものであり、現状と違う部分が含まれています。